英語は皆6~10年も学習されているのになぜ話せないのか?

中国語も英語も語学というジャンルでは同じ部類に入ります。中国語も英語も正しい学習方法は似ていますので、とても参考になります。さて、日本では中学生から英語を学び始めて高校までなら6年間、大学までなら10年間もの間、英語の学習をしていると思いますが、そんな長い期間学習しているのに、周りで英語を話せる人はご存じの通りあまり多くはいません(現在は小学生から英語の授業があるようですが、便宜上中学生からとしています)。

不思議に思いませんか?仮に学校で週に3~4回授業があったとしましょう。語学教室に通っている人なら、結構授業を受けている方ですよね?社会人の語学教室は大体週に1回か2回なのですから。6年もあれば、最低でも1000時間、自習や宿題なども合わせれば2000時間くらいの学習時間はあったはずです。それで話せた人はどれくらいいるでしょうか。

これは中国語でも同じことが言えて、何年も中国語勉強しているのに全然話せない人は、結構いらっしゃいます。英語にしろ、中国語にしろ、そんなにも時間をかけて学習しているのに、なぜ話せないのでしょうか。理由はその学習方法にあります。

日本の従来の教育方法では話せるようにならない

先に結論からいいますと、日本においての英語の学習の進め方では話せるようになりません。最近でこそ、その教育方法に疑問を持った一部の先生や塾講師が「本当の意味での」英語教育を始めるようになりましたが、私が見ている感じではまだまだ従来の英語教育を続けているところが非常に多いように思います。全国共通テストが変わらない限り無理かもしれませんが。

そして、日本のその教育が染みついている人ほど、つまり真面目な人が多くハマってしまいますが、中国語においても似たような学習方法を行ない、結果話せないままという現実が起こっています。

一生懸命、単語や文法を勉強している。でも話せない。会話が聞き取れない。なぜなのでしょうか。どうして従来の勉強方法ではだめなのでしょうか。

スポーツに置き換えると良く分かる

私は常々、語学とは数学や社会などと違い、スポーツに近いものだと思っています。実際に語学は、口を使いますし、耳も使います。場合によってはジェスチャーも使うかもしれません。学問というより、スポーツとして考えるとなぜ話せないのかが分かりやすいかと思います。

例えば、サッカー。普通はとにかくボールに触って、ドリブルの練習やシュートの練習をしますよね?体力がなければ走り込みをして体を鍛えます。当たり前ですが、サッカーを習うのにテキストを渡されて、「まずはボールの正しい蹴り方を勉強しましょう」なんてやり方はしませんよね?もし、あなたの目の前にサッカーが上手になりたいって人がいたとして、教室でサッカー理論とかひたすらに勉強しているのを見たら、あなたはなんて言いますか?「そんなのはいいから、まず練習しろ。ボールに触れろ。」って言いたくなりませんか?

語学も同じことが言えます。外国語というのは、日本語にない発音や言い方が多いため、口も耳も脳も色々馴染みがありません。サッカーでいえば、ボールに触ったことが無い人です。その状態で、文法がどうのとか、本当に必要かどうかも分からない(判断できない)単語を覚えなさいとかやっても、拒否反応しかでません。それこそ、「細かいことはいいから、まず口にだしてみよう、聞いてみよう」が何よりも先です。

サッカーでも、ある程度うまくなった人がより高みにいくためにサッカー理論などを研究し始めます。身体である程度染みついている経験や感覚があって、はじめて理論がどうのとかが生きてくるのです。語学も正しい言い方とか、文法だとかはもっと慣れてからでいいのですが、日本の英語の教育は、まず「This is a pen」の文法から始まり、順をおって文法を勉強します。これは順番が逆です。まず、浴びるように色んな英語に触れまくって、なんだか良く分からないがおぼろげに意味は解ってきて。そういえば、よく聞くこの言い方、なんでこの順番なんだろう?って思った時に文法を覚えると、「あー、だからか」って腑に落ちるのです。

土台がしっかりしないと高く積み上がらない

中国語において、私が学んだことは、土台(基礎)がしっかりしないと結局その上に何を勉強しても積み上がらないということです。では、土台とは何でしょうか。語学においては、実際に話してみること、脳が音を聞き分けるようになるまでシャワーのように聞きまくること、簡単なフレーズをたくさん練習することです。

特に中国語は発音が難しいと言われています。日本語にない発音がたくさんありますので、まずは脳や耳に「これは中国語で必要な音」と認識してもらう必要があります。これはテキストをどれだけ眺めても意味がありません。短めのフレーズで100~200パターンくらいまとまった量を繰り返し何度も聞いたり、発音したりすることが大切です。

初めは聞き取れなかった雑音が雑音でなくなり、いい加減聞き飽きて覚えてしまったフレーズになった段階で文法などの仕組みを確認します。そうすると覚えたフレーズが一つの型となって残ります。これが土台であり、骨となります。これがしっかりしていれば、同じ文法で違う表現や違う単語での言い回しも出来るようになります。楽しくなってくるので、置き換える単語もどんどん覚えていきます。こういうサイクルにならないといけません。

実践は絶対に必要

ネイティブとコミュニケーションを取るうえで、実践経験は欠かせません。スポーツも単独練習だけでは不十分だから、練習試合を行ないますね。なぜなら実践ではお約束通りに相手が動いてくれないからです。あらゆる対応になれるためには実践は絶対に必要です。

中国語であるあるなのが、自分が覚えたフレーズではない返しが来た時にパニックになってしまうことです。例えば、「駅までどうやって行けばいいですか?(到车站怎么走?)」って言えたとして、想定している言葉(覚えた言葉)は「まっすぐ(直走)」「右に曲がる(右转)」「歩いて5分でつく(走5分钟就到)」あたりかな、って思っていたら、

哪个车站?你想要去哪个地方?二号线的话,走路有点儿远,我建议打车!

って全然想定外の回答、というかペラペラ話してて何言っているのか分からーん。って1ミリも勉強してない言葉で帰ってくることは日常茶飯事的にあります。下手に中国語で聞くもんだから相手も普通に中国語分かると思って話してきます。こういう経験をたくさん積まないとやっぱり実践で役に立たない状況に陥ります。

色んなパターンになったときの対処方法を学ぶことは、経験から得られますね。知らない言葉への対処方法は、実は経験値でかわすことも出来ます。何も100%完璧に知らなくても対応はできます。その辺のテクニックなんかもコーチングでは教えられます。

正しいやり方なら数か月で土台が完成

コーチングでは、とにかく正しいやり方で十分な土台を作ります。学習習慣と土台さえ作られれば、あとは卒業です。継続してコーチングしてもいいですし、その先は自分で羽ばたいて進んでいっても構いません。コーチングは自走するお手伝いをすることが最大のゴールなのです。

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