テキストって基本的に包括的な内容を取り上げて、そこから学習を促す形になっています。そのため、学習者にとってはあまり関わりのない場面、興味のない分野の話が題材になることがあります。特にHSK6級など上位に来ると本当に広範囲の話題やジャンルの用語が出てきます。
何でもそうですが、興味や自分に関係のない情報って入ってきませんよね。個人差あるのかも知れませんが、少なくとも私はもうだめです。興味のない情報は右から左に流れていきます。中国語でも、様々なシーンの学習がありますが、得意不得意ははっきりと表れます。
でも私はそれでいいと思っています。
そもそも中国語を学ぶ動機を今一度考えてみて下さい。目的が試験の合格ではない場合、自身の関係ないシーンの中国語を学ぶ必要があるのでしょうか?仮に無理くりその分野の言葉を覚えたとして、実際に中国語で話す機会はくるのでしょうか?
医者でも、外科・内科・皮膚科・耳鼻咽喉科・小児科・精神科など、専門性によって分かれています。全般に関わる基礎医療についてはもちろん必須でしょうが、それ以降は自身の専門性に特化した知識・経験になり、自分の分野以外になると専門外となり詳しくはなくなります。中国語も同じで、というか日本語でもそうですが、全方位の分野に詳しい人はいませんよね。自分の身の回りで使う言葉は、そのまま中国語でもどの外国語でも変わらないですよね。ですので、自分に関わりのある分野・興味のある分野は、そのまま中国語でも必要となる可能性は非常に高いのです。
自分の身の回りの言葉を中国語化してみよう
私自身、中国語で働いていた時は、仕事で必要な言葉をどんどん覚えていきました。化粧品の会社であったため、教科書に出てこないような「多肽(ペプチド)」「透明质酸(ヒアルロン酸)」とかも必要でした。テキストから素直に学ぼうとすると、なかなかこういう言葉は出会えません。
自分にどのような言葉が必要なのかは、実はご自身が良く分かっています。普段自分がいる空間、話している内容、接している人、何に興味があり、どんな生活をしているのか。意識してみて下さい。
朝起きて、まず何をしますか?
誰とどんな会話を交わしますか?
会社に行く途中、何が目に入りますか?
仕事ではどんな言葉をよく使いますか?
仕事に良く行くところはどこですか?
趣味はなんですか?
これらの生活をしている時に、「中国語だったら何て言うのだろう?」と考えてみて下さい。きっとその言葉は中国語を覚えた後にも必要となるフレーズや単語だと思います。そして頻度も高く忘れにくい言葉でもあります。そういう所から学ぶのが近道なんだと思います。普段から目にするものを片っ端から中国語化するのも非常に良い訓練になります。
結局実際に使う中国語も自分の関連するものだけ
いやいや、教養としてもある程度は関係ない分野の勉強も必要でしょ、と思われるでしょうが、もちろんそういう中国語の学習をしてはいけないという話ではありません。色々な言葉を覚えていた方が、それだけ会話の幅も広がりますし、対応力も出てきます。
ですが、実際に中国語を使っていた私が自分でも身をもって体験していることは、「頑張って覚えたところで、使う場面がまるでない」ということです。
せっかく一生懸命覚えたところで、自身の生活や環境で関連のないものは、やはり使うことは全くなくて、しかも勉強している時にしか見たことのない中国語なので、時間が経てば容易に忘れてしまいます。逆に、自分に関連するものはそれこそ毎日のように使うことになるので忘れにくくなります。で、あれば、覚える中国語もできるだけ身近なものに絞った方が効率はよくなりますよね。
さきほど、多肽などの化粧品用語を紹介しましたが、正直現在の私は別の仕事になってしまったため、結構怪しくなってきています。当然現在の生活にあまり関りがないので、全くと言っていいほど使わなくなりました。反対に、娘の習い事の影響でインラインスケート用語に触れる方が多くなってきました。
効率よく中国語をやるならば、自分の身の回りに合わせた言葉にもっともっと焦点を当てましょう。いつ使うか分からない妙なフレーズよりも確実に覚えられるはずです。お試しあれ。
「いいね」や「シェア」お願いします!