听力関係なく、知らない単語は100回聞いても分からない

当たり前の話かも知れませんが、どれだけ中国語話せるようになっても、知らない言葉はいくらでもありますし、完璧に網羅することはおそらく永遠にはないですね。それは母国語にも言えることで、日本語でも知らない言葉が入った内容の話をされたら、「何?〇〇って?」って聞き返しますよね。この当たり前のことが、中国語学習している上で忘れてしまっている時があります。

すなわち、聞き取れないのは、聞く力(听力)が良くないからだ、と言う思い込みです。

私も未だ普通に起こっている現象ですが、中国語で話している時に知らない言葉があった時は「?」ってなってポカーンとしてしまいます。しかも、ご丁寧にこちらが分からないという顔をしているため、中国人も何回も言い直してくれますが、何回聞いても結局分からず、紙やスマホで文字にして見せてもらうことがあります。

例えば、以前妻の妊娠時に中国の病院であったエピソードにもありましたね。最初に医者から「彼女はポーフーツァンだったか?」って聞かれたことがあったのですが、医療用語なんて当時知るわけなかったので、当然ながら「何それ?」ってなりました。3回くらい、「いや、だからポーフーツァンだよ」って押し問答(笑)になりましたが、結果あきらめたお医者様が書いてくれました。「剖腹产」…、ああ、帝王切開ね、みたいな感じです。この辺の話は別のブログで紹介しています(参考:中国での出産体験記

脳内の中国語データベースになければやっぱり聞き取れない

もう少し突っ込んだ話をすると、仮に知っている単語だったとしても結構この現象は起こります。習ったはずの言葉なんだけど、聞き取れなくて、同じように書いてもらったら、実は知っている単語だったというシチュエーションです。これも結構アルアルです。特に漢字文化の日本人は起こりやすい現象です。

これは文字なら分かるけど、会話では使えない状態の中国語です。なんでこんなことになるのかというと、漢字が分かる日本人は中国語の単語を覚えた「つもり」になることが多々あるためです。テキストで文字を見て、意味を知って、ピンインを確認して、それで覚えたと錯覚して終わっている状態です。これはその単語を習得しているわけではなく、ただ知っているだけの状態です。

学問としての中国語なら、それでもいいかも知れませんが、きちんと会話やツールとして使いこなせるようになることが目的であったなら、何回も何回も耳で聞いて、何回も何回も口で発音した中国語だけがようやく本来の「使える中国語」となって脳内データベース(DB)に記録されます。この脳内DBにない中国語は残念ながら100回聞いても聞き取れません。

HSK取得しても話せない人の共通点

とても大事なことなので、もう一度きちんと言いますが、この脳内DBにストックされるまで繰り返し中国語を練習すること、すなわち大量のアウトプットをすることが、話せるようになるための中国語学習において必要不可欠な要素です。使える中国語を習得しなくても、テストや資格のための勉強はできてしまうので、結構おろそかにされていることが多いです。

そして、その結果、知っているがパッと聞いてもすぐに反応できない、すぐ言い出せないという、俗に言うHSK持っているのに話せない人というのが一定数出来上がってしまいます。

そうならないために、またちゃんと聞いて理解できる中国語を少しでも増やすために、勉強している中国語は血肉になるまで、何回も何回もアウトプットして身に着けていきましょう。それは5回10回の話ではないです。それこそ何十回~何百回レベルです。この回数が少ないものほど、知識レベルの言葉だと自覚しましょう。

ネイティブの話すスピードが問題ではない

よく、ネイティブが「話すのが早すぎるから聞き取れない」というようなことを言うことがあります。逆に非ネイティブの学習者が、同様のことを言うこともありますが、私は違うと思っています。早かろうが遅かろうが、ほとんど変わりません。脳内DBにあるか、ないか、それだけです。

上記の例で言えば、聞き取れなかった時に、ゆっくり言い直してもらって聞けたためしは少なくとも私はありませんでした。遅く話そうが、知らんものは知らん、です。

逆にこの辺の言い回しは染みついている自覚がある(脳内DBにある)中国語は早く話されても全然影響ないです。他の日本人が早い早いというスピードでも、そういう状態の中国語だったら何だかゆっくりに聞こえるような錯覚すらあります。脳って不思議ですよね。

そういった訳で、話せるようになるための勉強と試験に対応する勉強は違うんだなと言うことを改めて思い出しましたので、書いてみました。どうぞご参考までに。

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