完璧主義をやめれば上達が早くなる

学習を進めていく中で結構陥りやすい落とし穴が、100点満点を目指そうとする行為です。きっちりしっかり学習することは大切ですし、テストでも満点を狙うことはもちろん良いことですが、私がここで注意する点は、100点(完璧)にならないと先に進まない学習法は却って上達を妨げることがあるということ。

例をあげましょう。中国語において、発音は最重要科目でありますが、発音にこだわりすぎて先に進めなくなる人がいます。日本人が難しいとされている「ch」「sh」「zh」などのそり舌音はなかなか苦労するところですが、ピンイン学習の段階で全ての発音を完璧にするまでその次の学習に進まないのは効率が悪いです。発音をおろそかにしても良いという話ではありません。日本人が本当にピンインをマスターするのには結構な時間がかかります。それこそ完璧にというなら半年はみっちりやらないと多分だめです。そんな長い期間をピンインだけの学習をしていたら途中で挫折してしまいます。

7~8割くらいでどんどん先に進む

ピンインで言えば、一通り読み方と四声を理解したら多少不安定でも先に進みましょう。実際、例文や会話などを通じて少しずつ慣れていったり矯正したりしながら自然とマスターしていきます。ピンインを例にとりましたが、他でも同じです。単語を覚えるときも20個を完璧に覚えてから次の20個…、ってやるやり方は非効率です。それだったら400個くらいの単語を一気に始めて7~8割くらい覚えたな、と思ったらさっさと次に行きます。テンポよく進める方が楽しいですし、色々な表現にたくさん触れる機会に繋がります。そうやっていくうちに過去に覚えた単語に再び出会うことになり、出会う回数が多い単語ほど自分に馴染んでいきます。適当でいいのです。多少間違えてもいいのです。完璧にすることよりも数をこなすことを優先しましょう。ただし、間違えた時はきちんと軌道修正をすること。そうすることで自然と覚えていきますし、発音だって良くなっていきます。

あなたの中国語学習の目的は何ですか?

HSKの試験に合格したい

発音を上手にしたい

語彙力をもっと増やしたい

これは中国語学習の目的なのでしょうか。違いますね。これは目的ではなく手段です。そもそもなぜあなたは中国語を学習するのでしょうか?本当の目的を思い出してください。中国語を学習するきっかけ・動機は、「中国人とおしゃべりしたい」「仕事で活用したい」「旅行に行ったときに中国語で対応したい」などではありませんか?これが目的です。

では反対に尋ねますが、もしも多少発音が完璧でなくても中国人とコミュニケーションが取れたらどうでしょう?細かい慣用句や複雑な文法は分からないけど、気持ちを伝えたり、値段交渉できたりしたらどうでしょうか?それが目的だったはずです。もちろんそれは一分の隙もなく完璧にできた訳でもないので、レベルを上げてさらに精度を上げるように努力は重ねます。ここで言いたいのは「手段」を完璧にしようとするあまり、目的を見失うのはあまりにも勿体ないということ。

ネイティブだって完璧ではない

中国や台湾でたくさんのネイティブと話しました。数えてはいませんが、それこそ何百人と言葉を交わしましたので、色々なネイティブがいました。そして彼ら彼女らですら完璧ではありません。中国はものすごく広いので、方言もたくさんあります。共通認識の普通語という所謂中国語で統一されていますが、南の方や台湾はそり舌音を使いませんし、四声が明らかに違う話し方をする人もいました。表現方法や物の名前ですら場所によって変わってきます。びっくりしたのは、蘇州であった中国人の同僚はもともと黒龍江というすごく北の方から出稼ぎにきたのですが、初めの半年は他の中国人が何を言っているのか分からなかったと言っていました。日本に限らず、中国でも若者が使う言葉は年配者は聞き取れないし、なまりがきつすぎて言葉が分かりにくい人もいました。そんな世界で、日本で学ぶ中国語自体が100%合っているかどうかも分からないのに、それを完璧にする行為に意味があるでしょうか

大切なことは目的達成のためのコツを知ること

私も話せない時代から海外にいましたので、色々な段階がありました。そして現時点でもネイティブと100%渡り合えるかと言われれば、そうではありません。コミュニケーション上で分からないことや聞き取れないことはもちろんあります。ネイティブ同士ですらそうなのですから、聞き取れない言葉があって当然、くらいのスタンスでいて大丈夫です。やりとりに困らないように全部を覚えてから実践に向かうよりも、とっとと実践してしまって分からないことがあったときの対処を知る方が目的に沿っていますよね。これが試験とかならもちろん別ですが、大切なことは目的を考えた時に何が大事かという話です。もしも壁にぶち当たっている人がいれば、参考にしていただければと思います。

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