中国で見た話せるようになった日本人の特徴

中国に8年仕事しながら住んでいた時、たくさんの日本人と知り合うことがありました。住んでいた中国蘇州市は日本人が結構多い地域で、出会う機会もたくさんありました。ほとんどの方が日本に本社がありそこからの駐在という形でいらっしゃいましたので、肩書は基本的に部長クラス以上で総経理(日本で言えば支社長にあたるのかな)と知り合うことも珍しくありませんでした。

中国語を話せない日本人がかなり多い

意外に思うかもしれませんが、駐在で中国に出向される方は中国語スキルがほぼ0で送り込まれる事例がほとんどと言っても過言ではありません。色々理由はありますが、大きな理由としては駐在にくる人たちの人材としての能力は中国語力ではなくて現場の能力を見込まれてやってくるからです。仕事を教えに来るわけですね。または、日本で係長・課長クラスがキャリアアップのために来るパターンもあります。もちろん中国語が話せることに越したことはありません。ただ現実問題、中国語も出来て仕事もバリバリできてって人はそんなに多くいません。

そんなわけで、駐在員の皆さんは大体日本で数か月の語学研修を受けるくらいの状態で中国生活をスタートします。もちろん言葉が分からないと仕事になりませんので、現地で日本語の話せる中国人が通訳をしてフォローします。プライベートは仕事ではないため、基本的に生活する際は自力で頑張ります。とはいえ、住宅の手配だとか各種手続き、ビザの更新などは会社が代わりに行なってくれますので、メチャクチャ困ることも実はそうそうありません。

うすうす勘の良い方はお気づきかと思いますが、中国力0でも仕事では通訳がつくし、病気やライフラインにかかわるものは会社が代わりにやってくれますので、話せなくても生活がなりたってしまうのです。ちょっとした買い物はさすがに自分で行いますが、実は日本人が多い地域であるがゆえに日本人向けのスーパーがあったりするんです。店員は日本語も話せます。チャイニーズタウンならぬ、ジャパニーズタウンです。そこまでくると中国なんだか日本なんだか分からない感じになります。そういった環境であるため、「中国語を勉強しよう!」と思わない限り、10年以上いても話せない人は話せないのです。

それでも中国語を学ぶ人はいる

それでも、せっかく中国にいるのだから中国語を学ぼうとする人はもちろんいます。確かに日系スーパーや通訳で必要最低限の暮らしはできますが、中国の面白いところはそんな限定された区域だけではなくもっともっとたくさん別にあります。それには中国語が話せないといけません。流石に仕事で行っている通訳もプライベートに呼ぶわけにもいきません。そういった理由もあり、駐在してしばらくすると勉強を始める方も結構いらっしゃいました。そういった中で、中国語が話せるようになった人とそうでない人がいることに気づきました。

中国語が伸びる人は間違いを恐れない

完璧主義で真面目な人ほど陥りやすいのが、勉強をしているにも関わらず全くアウトプットしないことです。中国語って確かに発音が難しいから、似たような言葉でもきちんと発音しないと伝わらないことがあります。なので自分で思っていることを言っても伝わらないことがあります。だから、伝わらない=失敗と思って完璧になるまで話し出そうとしない人が結構いました。間違う可能性があるくらいなら口にしないという考えです。こういうタイプの方は上達がやはり遅いです。成長の場を自ら逃しているようなもの。

上達がすごく早い人は、これの逆を行きます。うろ覚えだろうが何だろうが、とにかく覚えたものを中国人相手に使ってみる。うまくいけば良し、伝わらなければ別の言い方を試してみる。これの繰り返しです。発音も完璧ではないけど、構わず話し続ける。こういうタイプは本当に上達が早いです。伝わらなかった事例ですら、本人の糧になります。面白いもので、そうやっていくうちに発音もだんだん上手になっていきます。

そして、そういう人は生活面にも表れます。もう少し話せるようになってから、もう少し上達したら行ってみようというようなハードルが高い場所にも平気で飛び込んでいきます。ほぼほぼ話も出来ないようなレベルなのに、取引先の中国人家庭に通訳もつけず単身でご飯食べに行くようなイメージです。ちなみに、私の元上司がまさにコレでした。こうやって中国語をインプットもアウトプットも大量にするような人は当たり前ですが上達は早いです。元上司はほぼ0の状態で中国に来ましたが、1年もしたら通訳もなしに部下が直接相談しに来ていたのをそのまま直接中国語で指示していました

アウトプットの量はとても重要

座学を好む方はなかなかアウトプットの機会が増えません。私は語学は学問というよりスポーツに近いものだと思っています。理論(文法)は色々ありますが、練習しないことには上達はあり得ません。そもそも日本人の口の筋肉は、日本語を話すための筋肉しか発達しておらず、中国語で使う筋肉が弱いです。きちんと発声するには、練習してその筋肉を鍛える必要があります。そして、これが本当に重要なことですが、発音できない音は耳も鍛えられてませんから聞くことも出来ません。聞けるようになるために、発音できるようにならないといけないのです。だからアウトプット、すなわち練習・実践の場は絶対に欠かすことができません。

私の場合はどうだったか

私は自己紹介の時にも言いましたが、台湾・中国に行った経緯が全く違いますので、駐在員の方たちとは状況が異なります。通訳なんて当然のごとくいませんし、会社の通訳の子は面倒だからなのか、私に日本語を使いません。自力で住まいを見つけて大家と交渉したり、ガスや水道光熱費も自分で支払いに行っていました。ビザの更新だけは仕事にあたるとのことで会社が手配してくれましたが、パスポートの更新は何故か仕事にあたらないらしく、個人で上海の領事館まで自費で向かい更新していました。領事館は平日しかやっていないので、わざわざ有給まで取っていく羽目に。病院だって全部自分で対応しました。下の子の出産は蘇州の病院だったので、ホントに苦労しました。中国は色々トラブルも良く起きるので対応するためには嫌でもアウトプット(?)するほかありませんでした。でもそのお陰で中国語力はずっと鍛えられていました。

コーチングはアウトプットの場をつくります

何が必要なのかは分かりましたが、実際に日本でアウトプットの場をつくるのは大変です。大変ではありますが、無理ではありません。特に今はIT化が進み、色々なツールがあります。コーチングの間は意図的にアウトプットの場を作り続けて上達に繋げます。一人で勉強するのが大変という方、一度ご検討いただければと思います。

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