9歳までなら語学の環境にいるだけで話せるようになる

6歳の娘は、中国で幼稚園に通っていました。それもインターナショナルではなく、ゴリゴリの現地幼稚園で中国人と同じように過ごしていました。当たり前ですが家では日本語で生活していたため、最初のころは同級生や先生が何を言っているのか、全く分からないと言っていました。よくもまぁ自分の子どもをそんな環境に放り込んだなと思うかもしれませんが、実はお兄ちゃんも台湾で同じように現地幼稚園に通わせていたので、どうなるのかは経験済みでした。

ほおっておいても2~3ヶ月で話せるようになる

うちの子どもに限らず、子どもがすごいなと思うのがその適応力。知らない言葉の環境下でも、実は子どもは時間が経つと言葉が分かるようになります。だいたい早くて1ヶ月、おそくても3ヶ月でその国の言語を話せるようになります。これは先生の教育が上手とかそういう話ではなくて、子どもに備わっている元々の能力です。

そもそも子どもが母国語を身に着ける過程は何なのでしょうか?子どもは社会に溶け込むため、小さいころに聞いた言語を全て吸収しようとします。大人のように、これは必要な情報、これはいらない情報という判断ができませんので、とにかく耳にする音をインプットしていきます。幼稚園で話す外国語も例外ではありません。

娘も息子も3ヶ月もすれば幼稚園での話が分かるようになったと言いました。面白いもので、母国語と外国語の区別はついているようで、家にいるときは全く中国語を発しませんが、ひとたび幼稚園の門をくぐった瞬間に中国語しか話さない状態にスイッチします。しかも何も説明しなかったら現地の子と変わらないぐらい発音がいいです。街中で話しかけられて、「日本人ですよ」って答えると「え!?まじで!?」って良く驚かれていました。

断っておきますが、うちの子どもが特別というわけではありませんよ。台湾でも中国でも似たような状況で話せるようになった子どもをたくさん見ましたので、基本的にはどの子どもにも当てはまる話です。語学を必死で頑張ってた私からすれば、そんな子どもを羨ましいと思ったのは一度や二度ではありません。ずるい。

9歳の壁が存在する

学力においても、心理状況においても、9歳の壁というのがありますが、語学でも実は同じです。なぜ9歳なのかというと、9歳前後で子どもは主観的な考え方から、客観的な考えに変わっていきます。また直観的な考えから、徐々に論理的な思考を伴う脳に変わっていきます。これはもちろん大人になるための成長に必要なことで、このころになると物の良し悪し、どうしてそうなるのかの原因や、未来予測が出来るようになります。

良くも悪くも、この時期を越えてしまうと、外国語の環境にいるだけでは自然と覚えることが出来なくなります。大人になるために、次のステージに行くために、自然と失っていく能力なのです。この時期以降に語学を学ぶためには、文法や発音の仕組みなど、ロジカルな学習方法を行なう必要があります。つまり我々大人と同じです。これは決して悪いことではないのですが、スポンジのように吸収できる時期はおおよそ9歳までということになります。

覚えるのは早いが、忘れるのも早い

9歳までの語学学習は、その環境にいるだけで身につく魔法のような状況ではありますが、その環境がなくなってしまうと、徐々に魔法は解けていきます。すなわち、覚えるのは早いが、忘れるのも早い状態なのです。特に息子の方は、台湾にいたころがピークで、中国に引っ越してきた後は日本人学校に通っていたため、徐々に話せなくなってしまいました。きっと、この写真のことも忘れています。

これと反対に、9歳以降のロジカルな学習方法、所謂私たちの行なっている学習方法は、覚えるのが大変ではありますが、その分、一度身についてしまえば、なかなか忘れることはありません。それは記憶の構成が変わってくるからです。建築のように記憶を積み上げるイメージが学習なので、そう簡単に破綻もしないというわけです。

年齢別に学習方法が異なる

何が言いたかったかというと、9歳までの子どもと学生と社会人とで、それぞれ学習方法に向き不向きがあるということです。40過ぎの大人が子どものマネして語学を浴び続けても、何も向上しませんし、逆に6歳の子どもに一生懸命文法だの文章の仕組みだのを教えても全く意味がありません。

あと、もしも9歳以下のお子さんをお持ちの方で、語学をやらせたいと思ったら是非すぐにでもやらせるべきです。本当にやらせればやらせるほどに吸収します。母国語に影響があると心配される方もいらっしゃると思いますが、ご安心ください。子どもの脳は大人が思っているよりも柔軟なので全く問題ありません。外国語を学ぶことで母国語に影響があるとすれば、それは外国語学習のせいではなくて、母国語の学習状況に問題があります。その場合、外国語をしていなくても同じ結果になります。

ただし、子どもに語学をやらせる時には注意が必要です。上記でも言いましたが、子どもは子どもの学び方があります。つまり遊ぶように語学を学ぶのです。子ども相手に授業を行なうようなスクールはそれが分かっていませんので、それは止めた方がいいかも知れません。

私が行なっている中国語コーチングは、残念ながら子どもには全く向かない手法ですが、もしも中国語学習に興味のある親御さんがいらっしゃったら、相談に乗ります。コーチングに関係なくても遠慮なさらずご連絡下さい。

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