テキストと実際の中国語は結構違う

言葉は生き物です。時代に沿って、また地域によってその形を変えていきます。日本語でも若者が話す言葉を年配の方が理解できないように、地方の方言を都市部の若者が理解できないように、同じ言語であっても色々違いは出てくるのは、自然の摂理です。

同じように、テキストで習う中国語の中には実際には全く使わないような内容が結構あったりします。

中国語では「初めまして」と言わない

代表的な例で言えば、「初次见面(はじめまして)」です。中国語の日常会話などのテキストで良く紹介されていますが、私は中国で(日本人以外で)使っている中国人を一度も見たことがありません。厳密に言えば一人だけいましたが、その人は日系企業で働く日本語ペラペラな中国人で、仕事関係で日本人からよく「初次见面」と言われ慣れているので、日本人の私にわざわざ使ってくれたことがありました。それくらい現地では使われません。

じゃあ、はじめて会った時はなんて言うの?ってなりますよね。

中国では、初対面でも「啊~你好你好!」です。めちゃくちゃフランクですよね。そんなわけで、特に日本に売っているテキストには載っているけれど、実際には使われない、逆にテキストには載っていないけれど、実際にはよく使われる表現というのは結構あります。

ネイティブにテキストを見せたところ

テキストで勉強しながら、現地でネイティブに向かって色々話してみていると、時々「ん?」って表情されることがあって変だなと思っていました。そこで、その時使っていたテキストを見せてみるということを色んな時期や場面でネイティブに見てもらいました。検証が必要なので、一人ではなく複数の人にどんな感じか見てもらいました。

結構な確率で言われたことは、

「文法は間違っていないし、意味も分かるけど何か変」

という返しでした。どれも日本で買ったテキストで、中国語検定用のものであったり、日常会話集だったりもしましたが、初級レベルならまだしも、中級レベル位になると例文として無理やり文法を成立させようとしたからなのか、どうも変な表現になることがあるようです。

でも、もしかしたらこれは地域の差もあるかも知れません。なぜなら私は北京の方にはあまり行ったことがないので、首都に近い場所であれば、案外普通に使われているのかも知れません。

中国は広いので絶対的な表現はない

ここで私が言いたいことは、テキストを信じるなということではなくて、場所によって色々な表現があるということです。あくまでもテキストは模範的な表現を紹介しているのであって、それがそのまま使えることもあれば、違った使い方をする必要もあるということ。

数学のように、この時はこのように言うという方程式があるわけではなくて、もっと自由に柔軟にとらえる必要があるということです。最初に話した「初めまして」も、決して間違いという意味ではなくて、単に使われていないだけで、場合によっては日系企業と多く絡む人や企業だったらむしろ使っていった方が良かったりすることもあると思います。

ついでに言うなら、日本語の「いただきます」も中国語にはありませんが、日本人が「我要开动了」って敢えて言ってもいいと思います。言い続けたら浸透するかもしれません。

テキストは基本の型と思おう

テキストに書いてあることは、そのままでは実際に使われていないことがありますが、だからといって無意味っていうことはありません。語彙を増やすためにも、正式な文法を知るためにもまずは基本としてテキストに習うべきです。

その上で、実践していくうえで自分で調整していくのです。日本語だって、国語に出てくる正式な表現で話している人は少なくないはずです。まぁ口語と文語の違いとも言えますが。

特に語学においては、常に絶対的に正解であるわけではなく、色々な表現があります。「こういう時はなんて言うの?」の答えは一つではないということ。テキストにある表現はその一つに過ぎないということです。

実際に交流する人の表現をまねる

ネイティブと交流していると本当に色んな表現に出会います。スラングや若者言葉はテキストにはありませんし、場合によっては辞書引いても出てこないことも結構あります。打酱油って聞いたときにどういう意味?って思いましたもの。

言葉はコミュニケーションの手段です。色々な表現を知っていれば、それだけ気持ちを伝える方法が増えるということです。柔軟に色々な言い方、表現を楽しく学んでいきましょう。

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