なぜコーチングだと中国語学習が続けられるのか

「一人だと勉強が続けられない、そんなに毎日勉強できない!」

生徒のほぼ全員が元々そういう状態で受講を希望してくるのですが、私がコーチングしていて驚くのは、そう言いながら、いざコーチングを始めてみると皆さん本当に頑張って毎日数時間単位で学習してくれるのです

驚きですよね、別に私は生徒に対して「毎日〇時間絶対に確保して下さい!」とか指示しているわけではないです。皆さん自発的に、しかも毎日ちゃんと時間を確保して学習されています。しかも、中には「なんか楽しくて…(笑)」って言う生徒さんも少なくないのです。

実は、これには理由があります。

もちろん副産物的にそうなったわけではありません。コーチングをしていくうえで、ちゃんと狙いをつけて行なった結果であります。なぜ、コーチングだと中国語学習が続けられるのか、今日はその辺をお話ししようと思います。

日報というルールがある

会社などでよく書かされる、あの日報です。毎日の報告として、生徒さんには全員私にその日の学習記録を送ってもらっています。まず、この日報と言う仕組みがとても大事なのです。先ほども言いましたが、私は生徒に対して具体的な学習時間の指示はしていません。5分でも構いませんよ、とすら言っているくらいです。ただし、日報において必ず守ってもらうルールがあります。それは以下の通り。

  • 時間帯はいつでもいいので、必ず毎日送ること
  • 何をどれくらいやったか、メモでもいいので報告すること
  • 何もしなかった場合でも、「何もしなかった」と報告すること

別に大したことない、ごく普通の日報に思えたかと思います。そうです。特に変わったことはしていません。でも実際にやってみると、大概の人はこう考えるようになります。

「何もしなかった、と報告するのも気が引けるから、ちょっとだけやっとくか。」

これです。これがものすごい威力を発揮します。人は面白いもので、自分からネガティブな報告はしなくない生き物です。別に私の方も、本当に何もしなかったと報告があっても、それを咎めるようなことは当然しませんが、それでも何となく「何もしなかった報告」はしたくないって思うもの。そして、いざちょっとだけのつもりで学習すると、今度はこういう考えをするようになります。

「せっかく始めたのだから、もう少しやっとくか。」

掃除でも、料理でも、同じようなことが言えますが、億劫なことでも一度始めてしまうと、今度はある程度目処がつくまでは続けようとしてしまうもの。サンクコスト効果という言葉があります。一度労力や時間をかけると、それを無駄にしたくないという心理が働き、途中でやめるのが難しくなる現象がありますが、それに近い心理状況が生まれます。

この毎日の小さな積み重ねが大きな成果を生みます。

トリガーを決める

よく生徒さんに口ぐせのように言っていることの一つに「トリガーを決めましょう」と言っています。トリガーとは、日本語で引き金を意味しますが、行動をする際の「きっかけ」のことです。

人は毎日、約15,000回もの判断をしているといいます。これは、ドアを開けるときに右手を出すのか左手を出すのか、という無意識レベルや、今日はどの服を着よう、という小さな判断も含めた総数を毎日人は行なっているという話ですが、何を言いたいのかというと、その中に「今日勉強するかしないか」という判断が存在するということです。疲れている時、忙しい時などは、この判断で「今日はやめとこう」としてしまいがちです。しかもその判断を正当化するために「時間がなかったから」「予定が入ってしまったから」と、聞かれてもいないのに言い訳を瞬間的に思いつきさえします。

これは自然なことで、判断できる(選択できる)場合はついついそうなっちゃいますよね。

そこで、トリガーを決めてしまうのです。脳に判断させる隙を与えないように、ある出来事があったら自動的に学習を始めるという決まり事をつくるのです。そういうとちょっと難しそうに思えるかも知れませんが、実は、私たちはすでにトリガーをあちこちに無意識に作っています。

  • 朝起きたら(トリガー)、水を飲む
  • 家に帰ったら(トリガー)、シャワーを浴びる
  • 7時になったら(トリガー)、出勤のため家を出る
  • 夕飯を食べたら(トリガー)、歯を磨く

などです。これは人それぞれ違いますが、無意識に習慣づいているものは大概何かしらのトリガーがあるはずです。中国語の学習もトリガーを決めて、意識するよりも先に始めてしまうのです。

コーチングを始めるにあたり、生徒さんと相談しながらトリガーを決めてもらっています。コツとしては既にあるライフスタイルにリンクする、というか紛れ込ませる感覚ですね。

これにより、日報システムとあいまって、自然と学習する習慣が出来上がっています。習慣化さえしてしまえば、あとは非常に楽です。中国語学習が当たり前の状態になるからです。

学習内容がパーソナライズ化している

お渡ししている教材は、一部書店などで売られている参考書などを利用もしていますが、基本的に生徒一人ひとりに対してオリジナル教材を作っています。これも大きいと思っています。いくら習慣化していてもやってて面白くない、辛い勉強は、やっぱり続きませんよね。

せっかく勉強するのだから楽しくないと、という観点から生徒が興味を引きそうなフレーズだったり、場面だったり、分野だったりを反映させて教材を作っています。興味があるないようだから取り組みやすいのだと思います。

有料だからこそ、気を引き締めて取り組む

これが地味に大切なことなのですが、コーチングは当然有料のサービスです。対価を払っているのだから、それに見合った成果を求めるようになるのは、先ほど説明したサンクコスト効果と同じ現象がここでも起こっています。これが完全無料であった場合、本人はやってもやらなくても痛まない状態になるので、いまいち身が入りません。

書道の世界で、中国の書家が上達しない弟子に対して「安い紙を使うな、高い紙を使え」と指導したら実際に腕が上達したそうです。ただ同然の安い紙であれば、失敗しても気にしない、でも高い紙なら無駄にできないと一回一回真剣に取り組むようになったから。というエピソードがありますが、それと同じです。

このような状況が生徒さんたちに影響しているからこそ、皆さん毎日頑張って勉強して、毎日報告してくれています。私はその頑張りにちょっとお手伝いをしているだけです。頑張っている人と接しているとこちらも頑張ろう!って勇気づけられます。

コーチングなら、楽しく毎日学習することが出来ます。是非ご検討ください。

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